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IT企業の労基署対策

労基署が来てからでは、手遅れです!

労働基準監署の調査(労働基準法上では臨検といいます)にはいくつかの種類があります。
いずれの調査も、概して建設業・運輸業・小売業などが多いようですが、偽装請負や未払い賃金の問題を抱えるIT関連の企業に対しても調査に入る場合があります。

  1. 定期監督
    各都道府県労働局が策定する行政方針に基づき、労働基準監督署が調査対象とする業種や調査内容を定め、定期的な計画に基づいて行われる調査です。労働基準監督署から事前(約1~2週間前が多いようです)に訪問する旨の連絡が入ります。
    この調査には、事前に調査日の連絡が労働基準監督署から入り行われるものと、何の予告もなく突然抜き打ちで行われる調査とがあります。
    常日頃から労務問題に対する取り組みをしていない企業にとっては、抜き打ちで行われる調査は、是正勧告を受ける確立の高い調査といえます。

  2. 申告監督
    労働者から法令違反の申告が度々労働基準監督署にあった場合に行われる調査をいいます。
    労働者側からの度重なる申告を元に行われるため、法令違反となりそうな点を集中的に調査される事があります。
    最近、この労働者側からの申告によるものも増えてきているといわれ、場合によっては労働基準監督署への出頭を求められることもあります。

  3. 災害時監督
    一定規模の労働災害が発生した時に、同業種に対して緊急的に行われる調査をいいます。

是正勧告

是正勧告とは、監督官が労働各法に基づいて行った調査結果より法律に違反している点を指摘し、是正勧告書として企業に勧告指示を出すものです。この勧告内容には、いつまでに是正するかの期限が設けられており、その後に企業がどのように是正したかを「是正報告書」として提出しなければなりません。是正報告書には、違反事項・指導事項、是正内容、是正完了日を記載して提出します。この是正報告書を提出しないと「再監督」として再度監督官が調査を行います。是正報告書を提出した後に報告書通りの労務管理をしているかどうかも「再監督」として調査する場合もあります。
なお調査の結果、法律に違反していないものの改善が望ましいとされる場合は指導票により指導されます。

是正勧告を受けてしまったら

是正勧告があったら、迅速的対応を!!

是正勧告を受けてしまったら、勧告された内容を検討し対応すべきものは早急に対応していかなければなりません。 
単に勧告を受けただけだし、法令違反をしていないと思う点があるのであれば、是正指導に従う必要はないともいえます。
しかし自身の解釈だけで判断してしまった結果、本当は明らかに法令違反であったにも関わらず、是正勧告に応じていないと判断され、検察庁に書類送検されてしまう場合も十分にあり得るのです。
送検されると、違反内容によっては起訴され裁判所の判断を仰ぐ事にもなりかねません。一度是正勧告を出されたからには、簡単には済まないのだとの認識が肝要です。

是正勧告の流れ

  1. 労働基準監督署の監督官が貴社に訪問し調査を行った結果、是正勧告書を受けた場合は、なるべく早めに当方までご連絡ください
  2. 貴社にご訪問の上、対策を検討します。以下の資料をご用意ください。 
    (1)是正勧告書
    (2)就業規則
    (3)届け出済み労使協定
    (4)締結されている労使協定書
    (5)賃金台帳など給与支給状況を確認できるもの
    (6)時間管理資料(タイムカードなど)
    ※お手元に無い資料がありましたらその旨お伝えください。
  3. 是正勧告書の報告書を作成します。
  4. 報告書の内容を現場で 実行するためのサポートを行います(オプションとなります)。

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労働局への対応策

労働局は契約内容と就業状況を調査します!

各都道府県の労働局(需給調整室)が定期的に立ち入り調査を行います。 
調査対象は、一般・特定労働者派遣業、有料職業紹介業の認可を受けている事業所単位となり、通常は事前(約2週間程度が多いようです)に連絡がきます。
労基署の調査が労務問題に焦点をおいているのに対し、本調査では、派遣先との契約に基づき、派遣労働者を就業させているか、派遣労働者に対して就業条件が明示されているかなど、派遣先との契約内容や就業状況が整備・法的に問題なく実施されているかを焦点を置いています。

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偽装請負とは

多重派遣は要注意です!

偽装請負とは、 契約書上では請負契約もしくは業務委託契約でありながら、開発・運用担当者を実質的に「派遣」として働かせて利益を得る行為のことを指します。
客先に常駐すること自体は違法ではなく、労働者への指示や時間管理をしていることが問題となります。
IT業界で多いのは偽装請負の中でも、2次請け、3次請けの技術者をユーザー企業や元請け企業に派遣する「多重派遣」のケースで、2次請け・3次請けの企業間に出向契約が混在しているなど、様々な委託契約形態と労働者の勤務場所・指示命令を誰が行っているのかがポイントとなります。 
多重派遣は労働者派遣法でも禁止されているため、労働者派遣法違反と考える場合が多いようですが、現実には、職業安定法第44条による労働者供給事業に該当する事から、より罰則が重い職業安定法違反が適用される事となります。
この職業安定法第44条では供給される労働者を使うことも禁止しているため、委託先・請負元の双方が処罰の対象となります。

IT業界での偽装請負

請負の人材派遣への対応は要注意!

IT業界での偽装請負とは昔から当たり前に行われてきた事で、人材を提供する側も受け入れる側も特に意識せず行ってきたものといえます。
一時期、大手Sier、いわゆる請負先企業に対する都道府県労働局の調査による偽装請負の指摘により、請負元企業側が特定労働者派遣業の届出を行い偽装請負を解消する動きがありましたが、それでも依然として請負形態での人材派遣が行われているのが実態です。 
業務委託先からみれば労働力の確保とコンプライアンス、請負元企業からみれば顧客からの要請とコンプライアンスをいかに両立するか、特に多重派遣への対応が頭の痛いところでしょう。

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偽装請負はココをチェックしよう

ポイントは「偽装請負と判断されない」ことです!

偽装請負を判断されないためには、どのあたりに注意すればいいのでしょうか?
厚生労働省の通達等からいくつかポイントをあげてみました。
以下のポイントに該当する場合には、注意が必要です。


作業スケジュールの作成や調整を、受託者自らが行い労働者に指示している

発注側企業の責任者が、委託先労働者に対して直接スケジュール作成や指示を行う事はできません。
とはいえ、発注したシステムの都合上、どうしても発注先より委託先の作業責任者に対して直接指示をしなければならないの場合も出てきます。
この場合は、その部分だけ委託契約ではなく派遣契約として契約を切り替えて対応します。


受託者労働者と発注者労働者が同一の場所で作業を行う場合、お互いがひとかたまりにまとまっており間仕切り・看板等を用いるなどして、客観的に区分できる状態になっている

実際の作業場所では、発注側社員と委託先労働者が同じ場所で作業する事は恒常的に発生しています。
この場合、それぞれの作業者がまとまった形となるよう配置をし、またどちら側の作業者でるかが分かるようにしておく必要があります。


発注者側が履歴書・経歴書等の提出要請や面接等を行い、委託先労働者を選定することはない

請負契約は、発注したシステムや作業の完成を目的にしており、発注側は、注文通りにシステムや作業が完成できるかについてのみしか関与できません。これは、業務委託形式であっても同様です。
IT業界では、直接作業に関与する技術者の保有する資格やこれまでのシステム構築経験など事前に確認することが多く、これらの行為は請負契約そのものを否定する事となります。


労働者の欠勤、休暇、遅刻等による作業時間の減少等に応じて、請負代金の減額等が定められることになっていない

本来は、請負契約では発注したシステムや作業内容に対する代金を契約するものであり、関与した作業者の就業状況に応じて代金が変更される契約とする事は、労働者供給事業であると判断されかねません。
その他にも、作業機材の提供の有無や、再委託先への作業指示の状況がどうなっているかなど、派遣契約と判断されないよう注意するポイントは多くあります。
自社の行っている請負業務は偽装請負と判断されないか確認してみる必要があるでしょう。