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パワハラと指導の線引きが、分からない企業が多い

執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

パワハラと指導の線引きがどこにあるのか分からないという企業が多いことが、アドバンテッジリスクマネジメント社によるパワーハラスメント対策への意識調査で明らかになりました。

パワハラ対策を進める上での課題を聞いた設問に対して、最も多かった回答が「『指導』と『パワハラ』の線引きなどガイドラインの整備」(68%)、「従業員の意識改革」(57.%)、「従業員が相談しやすい体制の構築」(49%)と続いています。

パワハラ対策に取り組んでいると回答した企業は80%だったが、従業員50人未満の企業では33%にとどまり、大企業に比べて、経営層が対策をコストと考えやすいため、中小企業では対策への優先順位が低い傾向がみられます。

実施中の企業で「対策が十分」と感じているのが40%で、不十分としたのが38%、不十分の理由には「同じ加害者による再発がある」「座学による研修のみで実効性が疑問」との回答が挙がっています。

パワハラへの具体的な対策としては、「相談窓口の設置」(86%)や「就業規則など社会規定での明文化」(69%)、「管理職対象の研修や講習」(67%)などが挙げられていますが、同社の担当者は「相談・通報窓口を設けるだけでは対策が機能しないことも多い。上司と部下との間で認識が異なる場合もあるので、状況を第三者の立場から整理する必要がある」と指摘しています。

また、同社の担当者は「上司が部下へのパワハラを恐れ過ぎると、まるで『腫れ物に触る』ような感覚に陥り、コミュニケーション不全になってしまう。そうなると部下の指導もおろそかになり、生産性向上の観点からも本末転倒となる。部下も上司が言っていることが『指導』だと分かればそれを励みとして頑張れる。部下も上司の指導を正しく受け止める方法を身に付ける必要がある」と指摘しています。

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ハラスメント研修のお問い合わせが増えています。また、上記の指摘にもあるように、部下からパワハラと言われることを恐れて、指導ができない管理職も増えているため、ハラスメントの知識を正しく身に着けてもらうためにハラスメント研修をご依頼されるケースも増えています。

IT業界では、部下の書いた「コードが汚い」といった理由からハラスメントに発展したケースもあります。

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