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テレワークでの関係性の質

執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

テレワークでコミュニケーションに課題を感じている企業も多いようです。ヒューマンバリュー社の代表が登壇されたイベント「共創を生み出す組織開発~第4次産業革命における組織と個人のあり方~」の内容が参考になるかもしれませんので、引用して掲載いたします。

 

MITのダニエル・キム氏が提唱する『組織の成功循環モデル』をご存知でしょうか。組織としての結果の質を高めるためには、まず「関係性の質」を高めるべきであるといったことがポイントになっていますが、同氏が2002年に提唱した「成功の循環モデル」では、関係の質・思考の質・行動の質のそれぞれに振り分けて、5つのレベルに分けて41のプロパティとして、変革の取り組みが進化するプロセスを明らかにします。

関係の質

思考の質

行動の質

挨拶

 

 

 

 

声掛け

 

 

 

 

つながり

関心の広がり

 

 

会話量

共同思考

 

 

ありがとう

受け止め

笑顔

活気

ポジティブ思考

フレンドリー

尊重

行動意欲

 

背景理解

未来感受

アジャイル

率直さ

当事者意識

行動変容

横断

システム思考

支援

 

内省

 

 

発想

 

一体感

探求

新たな習慣

協働

革新

主体的行動

信頼

互恵

誠心誠意

越境

視座

 

 

 

意味創造

ボランティア・チーム

 

 

洞察・配慮

 

 

 

 

自己組織化

 

 

 

 

共想行動

プロパティは各質の縦方向の順番に沿った影響関係だけではなく、各質の横方向の影響関係もあり、関係の質・思考の質・行動の質は、レベル1からレベル5に向けて、それぞれ縦に進化していくだけでなく、お互いに連鎖し合いながら横にも進化していきます。

たとえば、関係の質のレベル2は、縦方向では関係の質のレベル3に影響をし、同時に横方向では思考の質のレベル1に影響します。

 

10万人くらいのデータを機械学習で解析したところ、「仲の良いチーム」というのは「関係の質」レベル3、「思考の質」レベル2、「行動の質」レベル1というところまでいっているが、一方で「価値を生み出せる」レベルに達するには、ここを乗り越えてないといけない、というのがわかっているそうです。

 

確かに、「心理的安全性」が高いということは、「仲良くすること」「安心」「関係の質」と言葉の性質上は思いがちですが、本来は「このチームで、もしリスクをとったとしても、対人関係上の亀裂や破壊が起こらないであろう、というチームに共有された信念」のことをいいますので、上記のプロパティの横方向の概念とも一致します。

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テレワークでコミュニケーションに課題を感じているIT企業は、上記のプロパティを参考に施策を検討してもいいのかもしれません。「挨拶」「声掛け」といった、関係性の質のレべル1に工夫が必要かもしれません。

 

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